パソコン・メモメモ備忘録

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3D プリンタ

最近は、FDM 3D プリンタの新機種が雨後の筍のように発表・発売されている。樹脂を熱で溶かして、細く糸状に押し出してそれを並べて積み重ねて立体物を造形する。原理は非常に簡単だが、実際に使ってみると結構大変なことがわかった。

プリンタの機種によって違うのかもしれないが、いくつか良くある失敗がある。ひとつは、造形するベッドというかステージへの造形物の固定が、プリント途中でずれてしまうこと。ABS 樹脂を使う場合によくあるのが、造形物が反ってしまって、想定通りの出力が得られなくなること。基本、ステージに造形物が貼り付くようにする。位置がずれたり、背の高いものでは倒れたりするとそこで失敗決定である。ABS 樹脂は温度による体積変化が結構あるので、ステージを加熱するなど、対策が必要らしい。

もう一つはヘッドの詰まり。想定通りに樹脂をヘッドから吐出、押し出せないと、造形物に所々穴が空いたり、そもそも途中から造形しなくなったりする。逆に、押し出しすぎて、想定外の玉や糸くず状の樹脂が表面についたりする。ヘッドへの樹脂の供給速度や温度設定が影響を及ぼすようだ。

後は、造形精度。ただの立方体を出力しても、微妙な揺らぎが表面に見えることもある。このあたりは、3Dプリンタ自体の工作精度や剛性が効いてくるのだろう。

ハード的なものはこんな感じだが、ソフトの方もまだまだ改良の余地がある。スライサーと呼ばれる、3次元形状データを、プリンタのヘッドの移動軌跡と樹脂吐出コントロールデータに変換するソフトが重要なのだが、これまた完璧な出力を得るのはなかなか難しい。特に、複雑で細かい曲面を含むようなデータだと、なかなかうまい結果を得られないこともあるし、上記のようなハードウェアの欠点をできるだけカバーするデータを得ようとするとそう簡単ではない。

以前も書いたが、小生が初めて感熱紙プリンタや熱転写プリンタを買った頃のことを思い出す。この頃のプリンタは精度も低く、ドットも粗かった。紙の送り機構もジャムる事が多かった。それが今や、2〜3万円のプリンタでも、印刷として問題ない出力が得られるようになっている。FDM の 3Dプリンタもあっという間に同じような進化を遂げるのだろうか。

解像度、印刷速度の向上(多ヘッド化?)が今後どうなっていくのか、なかなか楽しみである。まずは、フルカラーからか。前に書いた、レーザープリンタ型のものはまだ出てこないかなぁ。
ドラム上で、トナーを吸着させて、温度を上げて一度溶かして、また冷やして固めて、それを接着剤で積み重ねていくとか。接着剤よりも、すでにプリントしたものの表面をちょっと温めて溶かしてその上に載っけるのがいいかな。少し冷やすなら、ペルチェ素子とか使ったりして。

トナーまで行かなくても、次世代の FDM 3D プリンタは、ビーズあたりを材料とするような気がする。フィラメントでは、多ヘッドは難しそうだし。0.1mm 程度のビーズ(どうせ溶かすからもっと大きくても可?)が標準になるんじゃないかな。空気を抜くのが大変そうだが。ヘッドの手前で少量ずつ密封して真空状態にしてヘッドへ送り込む機構が必要になりそう。