パソコン・メモメモ備忘録

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AMD 次世代 CPU アーキテクチャ 「Zen」

Impress さんの記事。小生 AMD ファンで、自宅のデスクトップ PC 3 台は、全て AMD CPU & GPU / APU の PC である。ノート PC も 1 台 AMD だが、自宅サーバーのノート PC と 2-in-1 PC は Intel なのは仕方ないかな。

それはさておき、ここ何年か AMD のハイエンド CPU は、Intel のミドルレンジレベルの性能だった。一番の要因は、Intel の微細化のプロセスが 1~2 世代進んでいて、同じチップサイズに詰め込める物量にだいぶ差があった。FIN FET の導入も一歩以上 Intel が早かったし、仕方ない所。

やっと、プロセスの微細化も差が縮まってきていて、というか微細化を進めても性能への反映度合いがどんどん小さくなってきている感がある。CPU 内のアルゴリズムの進化も、重箱の隅をつつくようなものしかもう残っていなくて、苦労の割には、良くて数バーセントの性能向上だったり。

とは言え、一応、少しずつでも世代ごとに性能は上がってきている。逆に言えば、性能が上がるのがわかっているなら、先にそれを導入しないのはなぜ? みたいな事を考えてしまう。上記記事でも、Zen+ という、更に IPC を向上させる計画があると。なぜそれを今出さないのか。

CPU の性能の上限を決める要因のうちの大きい物の一つとして、やはりトランジスタ数があると個人的には思う。CPU の性能を上げるアルゴリズムは、色々考えられていて、それなりに効果が上がると予測されるが、それを詰め込む余裕があるかどうか、ということではないだろうか。プロセスの世代が進まないと、思っていたアルゴリズムが組み込めない。

もう一つの要因として、回路の最適化も考えられるだろうか。アルゴリズムを実際に回路に落とす際にも、最適化しないと逆に足を引っ張る要素になりかねないし(クロック上限を決めるクリティカルパスの長さに影響したりとか)。ただ、このあたりの最適化は、組み合わせや経路探索系の NP 問題のクラスに入ってきそうで、職人技の勘とか、準最適解を求める手法等を使って最適化していて、スーパーコンピューターで時間を掛けて探索すれば、よりよい最適化ができたりとか?

そろそろ量子コンピュータが実用化されないと、本当に CPU の計算能力は頭打ちになってきそう。プロセスの微細化がまだまだ進むなら、投機的実行とかもありそうだが、微細化も頭打ちになっているし。概算で進めてしまう CPU なんかも実用性はあるのだろうか。電気や光の情報伝達速度の限界も見えてきていたりしないかな。

話は戻って、Zen については、Intel の最新の Skylake と、CPU 内部的なスペックを見ると、結構負けている(microOP の同時ディスパッチ数とか、同時実行する SIMD 演算ビット数とか)。以前より近づいたとは言え、実際の性能でどのくらい肉薄できるか、楽しみだが不安でもある。まぁ、逆転するのはなかなか厳しいだろうし。はてさて。